君の瞳に映りたくて。


翌日ー


「お、春翔はよ!」


「おはよう」


昨日の事で、宮下の事が気になりすぎて寝れなくて、結局寝坊。
朝練にも不参加。………この俺としたことが。


おかげでこんな時間に登校。
人もかなり多いし。


………あれ?あれって…宮下?
うん、宮下だな!!

どうしよう、声かけていいのかな。
………俺なんかが声かけてもうざがられるだけかな。


あ、そうだ。


「おはよ、宮下。」


「えっ…あ、おはよう。
………これ、和泉のネクタイ?」


「そ!
昨日切られちゃっただろ?
よかったら俺の使ってよ!」


いや、なんか超強引なんだけどさ。
でも貸しとけばいつか返しに来るだろうし。


「そっか、気持ちだけ受け取っとく。」


「え!いや、使っていいって!」


「大丈夫だって。
ネクタイしてないと先生に怒られるよ?
そういうので部活参加できなくなったりするし…
それに女子はリボンもあるから。」


「あ。」


そうだった。
そういや今日の宮下はリボンしてる。

………なんだよ、作戦失敗かよ。


「はい、ありがと。」


「………あぁ。」


それに、目も全く合わない。
俺はこんなに見てんのに。
…そんな俺の事みたくねーのかな。



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