君の瞳に映りたくて。



「………美乃里も行くよね?」


「行くわけないでしょ。
頼まれたのは舞桜なんだから。」


「えー!!友達じゃん!!」


「そんな友達の昼休みを奪おうとしてるのはどこの誰かな?」


「うー…ケチ。」


「私、友達は甘やかさない主義なの。」


どんな主義なんだ!!
………まぁいいけどさ。
美乃里がそういうやつだって知ってたさ。


「だいたい先生も、3年生に頼んでくれればいいのに。
なんで私なの。」


「そこにいたから、じゃない?
特別な意味なんてないよ。運が悪いだけ。」


「美乃里だっていたのに。」


「ま、単純に舞桜のことが好きなんでしょ?」


「やめてよ、気持ち悪い。」


「これで勉強もできて、忘れ物もしなければ先生も頭抱えなくて済むのにね~。」


「それは言わないで。」


基本的に弱点しかないんだよね、私。
いいとこって足が速いことくらいで、お人好しだし、女の癖に気も強いし…そのくせ、涙もろいし。

素直じゃないしね。
ほんと可愛くない女。



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