君の瞳に映りたくて。

それからは、美乃里と体育祭を楽しんだ。

美乃里が友達でよかった。
また私は走れなくなるところだった。

走ることだけはやめたくない。
たとえ、ひどい失恋をしても。


『２年生クラス対抗リレーに参加する生徒は入場門へ集まってください。』


あ、出番だ。やっとだね。


「美乃里、行こ！」


「よし、絶対一位とろうね！」


「うん！」


絶対一位とるよ。
私がいるんだもん、大丈夫。

って、どんだけ自信家なんだ、私は。


「………あれ？香坂、和泉は？」


「出ねーんだと。さっきのが大分来てるな、あれは。
出雲と変わった。」


「え…色別リレーは出るよね？」


「そっちは出るっつってたけど。
ただかなり精神的に来てるっぽい。」


「………そっか。」


そりゃそうだよね。


「でも、あいつなら大丈夫だろ。
そもそも、それを乗り越えたからあいつの魂は戻ったんだろ？」


「…あ、そっか…」


「あとは、あいつが気づくだけだよ。」


気づく、か。
和泉がまた私を好きになってくれる日は来るんだろうか。