君の瞳に映りたくて。
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「イェーイ」
リレーは無事、一位で終わった。
アンカーは和泉から私へと変わっていたけど、私へバトンが渡ったときには大差で一位になっていて、私は楽々ゴールした。
このクラスは足が速いのが集まってるしね。
と、いうことで担任の金城先生はご満悦だった。
「あ、次女子の1,000メートルだぞ。
春翔~、彼女見なくていいのかよー。」
な、なんつーこといってんだ、この男は!!
高山か!バカか!こいつは!!
「あ?
…別れたわ。だからもうどうでもいい。」
和泉は超絶不機嫌なまま、そう答えていた。
「「「えぇ!?」」」
当然、同じクラスのみんなにはその言葉が届くわけで、クラスみんなが和泉の言葉に驚いていた。
だって、朝まで教室でイチャイチャしてた二人が、今では別れて他人となってるんだもん。
驚かない人はいない。
「な、なんで!?」
「最初っから遊びだったんだと。
バカみたいだろ?
あいつ、中学の頃から付き合ってるやつがいたんだよ。」
「はぁ!?」
「まじかよ!」
「そのくせ、毎日あんなことしてたのかよ!」
「信じられねー!」
………男子からは大ブーイング。
それはもちろん女子も同じで………
「かわいい顔してほんっと最低!」
なんて、みんなで優衣ちゃんを責めていた。
聞いていられないくらい、ひどい悪口も。
「優衣ちゃんが遊びだったとしても、和泉は本気だったんだから、友達が惚れてた人をみんなして貶すのはどうかと思う。」
私は耐えきれなくて、悪口が耐えないクラスのみんなに向かってそう言った。
「は?」
「宮下は春翔より、竹下の味方かよ。」
そんな私の発言を聞いた男子たちは、今度は私を批判し始めた。
「そんなこと言ってないでしょ?
優衣ちゃんがしたことは最低だと思う。
だけど、その事でみんなして悪口を言うのは間違ってるって言ってるだけ。
自分達はどうなの?
自分の彼女の悪口言われて、嫌な気分にはならないの?
それに、優衣ちゃんを彼女に選んだのは和泉でしょ?
優衣ちゃんのことを見抜けなかった和泉にだって責任あるんじゃないの?
いちいちそんなことで騒がないで。
聞いてるこっちが気分悪くなる。
言いたいことがあるなら、優衣ちゃんに直接言いなよ。」
せっかくさっき美乃里に話を聞いてもらって、リレーも一位でいい気分だったのにぶち壊して、ほんとイライラする。