君の瞳に映りたくて。
それから私は一人、鍵を返して帰路についた。
あの襲われた日から、一人で帰ることが怖くなったけど…まだ明るいもん。
人もまばらだけどいるし、大丈夫。
私は人の多い河川敷を歩きながら、家まで向かった。
………あ、あの丘…
久しぶりに行ってみようかな。
なんか今日はいろいろあって頭が疲れたし。
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それから、私は前に和泉ときた、和泉の秘密の場所へ登ってきた。
夕方、赤く染まるこの街が綺麗で、私は座って景色を眺めていた。
それだけで心が洗われていく気がする。
あの河川敷も、ここから見ても綺麗で。
なんでだろう、涙が出そう。
前は和泉と一緒だったのに、今は一人。
ここ、一人で来るとこんなに悲しい場所だったっけ…
………でも泣かない。
和泉とみた空、和泉とみた景色
そんなところで涙を流せないよ。