君の瞳に映りたくて。



………そういえば、和泉の私服って初めて見た。
こういう服が好きなんだなぁ………

男子の服とかよくわかんないけど、やっぱりかっこよくてスタイルいい人が着ればなんでもかっこよく見えるもんだね。


「あの、俺も座っていい?隣。」


「え、あ、どうぞ。」


っていうか私の許可なんているのかな。
勝手に座ればいいのに。


「あのさ、今日はいろいろごめん。」


「なにが?」


「………優衣のことだったり、俺のせいでみんなから睨まれたり、リレーに出なかったり。
あの陸部の部室のあとのこと、全部。」


「別に気にしてない。
リレーは和泉がいなくたって勝てたし。
…それ以外のことだって、私がしたいからして、私が言いたいから言っただけ。
和泉が謝ることじゃないよ。」


「それでも、ありがと。」


「今度はお礼?」


「だってやっぱ嬉しかったし。
部室でさ、優衣にキレてて。
俺と友達になれないとか言ってたのに、俺のためにめっちゃキレてくれてたじゃん。
俺、嬉しかったから。」


「………あのさ、どっから聞いてたの?」


「ん?全部。
俺あのとき、宮下の後ろにいたから。」


「そうなんだ」


なんか…恥ずかしい。
私変なこといってなかったよね?
大丈夫だよね?


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