君の瞳に映りたくて。



「俺さ、優衣に告られたとき舞い上がってて。
とくに好きでもなかったけど付き合ったんだ。
告白とかされたの初めてだったから。」


「え、そうなの?
和泉ってモテそうなのに。」


「はは、全然。
彼女も優衣がはじめて。
なんか俺、好きな子とかあんまできなくてさ。
高校入って優衣に告られてさ、
俺こんな可愛い子に惚れられるとかすげー、とか思って舞い上がって付き合って。
なんにも優衣のことなんか見てなかったんだと思う。
そんな可愛い彼女を連れてる自分に自惚れてたんだと思う。

今日あんなことを知って、かなりショックだったし、いきなり別れるなんて正直かなり落ち込んだんだけど、宮下に優衣を選んだのは自分なんだから、俺にも責任あるって言われて気づいたんだよね。
俺は優衣のことなんかなんにもみてなかったんだって。」


「………でも、好きだったんでしょ?
というか、本当は今でも好きなんでしょ?」


「うん。
………でももう終わりにするって決めた。
じゃないと俺、嫌な人間になりそう。」


「そっか。
強いね、和泉は。」


私なんて、和泉のことが好きなのに、和泉の特別になりたくて友達になることを拒否って、嫌な女になってるのに。
私とは全然違うんだね。


………だからこそ好きになったんだけどね。


「宮下は?好きなやつにコクんないの?」


「え!
な、なんで知って…」


「あ、ごめん。
祥也から聞いたんだよね。」


…あの男はまたペラペラと…
しかもなんでよりによって和泉に言うかな!!

明日文句いってやる。くそ。



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