君の瞳に映りたくて。



「…私にわかるのはそのくらい。
私と和泉は仲良かったわけじゃないから。」


「………そっか。
ってか学校は?支度しなくていいの?」


「今夏休みだから。」


ってことまでわからないのか。
記憶障害かぁ…平然としてるけど、本当にパニックになってるんだろうな………


「あのさ、なんで俺の事見えんの?霊感あるとか?」


「ううん、ないよ。
本当に私だけにしか見えないの?こんなはっきり見えてるのに…」


「声も聞こえないし、姿も見えない。みんなそうだった。
舞桜に声をかけてもらうまで、俺も足掻いたりしたんだけど…誰も反応してくれなかった。」


「………そっか。」


なんで私は見えるの?
和泉と全然…ではないけど、私なんかが見えても仕方ないのに………


「あのさ、俺どうしたらいい?」


「え?どうしたら…と言われましても…」


「………俺、ここにいてもいい?」


「…え!?こ、ここに!?」


ここにって…ここの家に!?和泉が!?
え、いつまで?え?


「ごめん、嫌だよな。
でも、舞桜しかいないんだよ。俺の事見える人。
話し相手も舞桜しかいないし、お願い。」


「い、嫌ではないんだけど…」


普段同じクラスにいるだけでもキュンキュンしてて、かなり気張ってるのに…いつもいるとなると私がキュン死しそうだよ…!

ど、どうしよう…



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