君の瞳に映りたくて。



「宮下ー、タイムとるぞー」


「はーい!
美乃里、お願い。」


「オッケー。いくよ?

いちについて
よーーい、ドンッ!!」


今日も、いい天気だね。
走りやすい時期になってきたよ。


「………ふぅー。」


「12.1。またタイム上がってきたな。
夏休み明けてから調子悪かったのに。」


…単純だなぁ、私って。


「でもしばらく大会とかないし、つまんないね。」


「そうだなー。
ま、宮下は勉強に専念すればいいよ。」


「部活中にそういうこと言わないでくださーい。」


10月、か。
テストかぁー…


「テストが終われば楽しい修学旅行が待ってるからな。」


「………別に楽しみでもないけど。」


私はそれだけ言って、ベンチに戻って紐を結び直した。



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