君の瞳に映りたくて。
「じゃあこれで班は決まりね。
次はしおり配るよー。
持ち物とか行くとこはしっかり各自確認しといてねー。
で、自由行動をどうするかを班で話し合ってね。
それと班長も決めてねー。
あ、私と木村は班長できないから押し付けないように!
ってことで席移動~。」
はやい。
ほんっとはやい。
さすがです、美乃里。
「いやー、よかったよかった。」
私の席の前に来た和泉がいきなりそんなことを言い出した。
「榑林には感謝しないと。」
「なにが?」
「和泉、わざわざ朝私のところに頼みに来たの。
ま、つまり不正ってわけ。このくじ。」
「え!?」
「だってくじなんてひどくない?
俺全然仲良くないグループとかやだし。
だから先に手を打たせてもらったってわけ!
榑林なら宮下と一緒になるだろうとも思ったし、学級委員がいて、英語の成績いいやつがいて、ここ最高じゃん!って思ったわけだよ。」
「………なるほどねぇ…」
でも、私はやっぱり和泉と同じ班で嬉しい。
あんなに憂鬱だった修学旅行が少し楽しみになったよ。
「で、とりあえず班長だけど香坂でいいよね。」
「はぁ?なんで俺?」
「だって私は学級委員の仕事があるからだめだし、物忘れの激しい舞桜と和泉には任せられないから。」
「………確かに。」
「そこ納得すんなよ!」
そーだそーだ。
と、私も言いたいところだけど、記憶力のなさは自覚してるからなにも言えない。
「とりあえず班長は香坂ね。
まぁとくにやることもないんだけど。
で、自由行動はどうする?」
「っていうかロサンゼルス
ってなにあんの?」
「私もよくわかんない。
誰か調べてきてよ。」
………ロス、か。
「私わかるよ。」