君の瞳に映りたくて。



とりあえず行きたいところも決まって、行き方も決まった私たちはすぐに雑談になった。

4人で話してると笑いが止まらなくて、私と和泉だけじゃなくて美乃里や香坂までもがお腹を抱えて笑ってる。
このメンバーで過ごせる6泊8日、絶対に楽しいに決まってる。
このメンバーで行けることが本当に嬉しいんだ。


「ところでさ、舞桜はなんでロサンゼルスに詳しいの?
何回かいったことあるの?」


「んー…まぁそんなこと。」


「へー。
私、舞桜んちのことよくわかんないんだけどロスに旅行何回も行ける程のお金持ちなの?」


「榑林知らねーの?」


「知らない。香坂はしってんの?
前に家行きたいって言ったとき、うちはボロボロだからダメって言われたんだよね。」


「へー、ボロボロなんだ?」


香坂と美乃里が私の家について話してたのを聞いた和泉は完全に笑ってる。

変な嘘またついたんだ、みたいに思ってるんだろうな。まったく。


………でも、でもね
この二人ならもう話してもいいかなって思ってる。
きっと…大丈夫、だよね?


「逆にどんだけボロいか気になるところだな。」


「香坂んちは広くてきれいだから余計に見せたくない。」


「くく…」


おーい、和泉くん?
なにをそんなに笑っているのかな?


「じゃあさ、今日部活もないし、みんなで舞桜んち行こうよ!」


「えぇ!?ムリムリムリ!!
うち狭すぎてこんなに入ったらもうギュウギュウだよ!」

「それはさすがに嘘だろ。」


「う…まぁそうだけどさ、本当恥ずかしいから。
家ならうちより香坂んちの方が絶対面白いよ!」


「別に面白くはねーだろ。
それに俺んちは来たことあるんだから春翔んちとかの方が行ってみたくねーの?」


「んー…まぁそうだけどさ」


ただみんなで和泉んちに行くと、確実に私は帰り道に困る。
別にいいんだけどさ、この二人にならバレても。

いいんだけどいざとなるとやっぱ…ね。



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