君の瞳に映りたくて。
努力をする君が好き。
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「あのさ、宮下にちょっとお願いがあって」
「お願い?」
帰り道、私たちは遠回りでも大好きな河川敷を通って帰った。
………ううん、それはいいわけ。
本当は、1分でも長く和泉といたいから。
「…なに?」
「………俺に英語、教えてくんない?」
「英語?うん、全然いいけど。
でもなんでまた?テストあるから?」
「俺って頭悪いじゃん。
でもとびきり悪いってわけでもなくて、って感じの成績なんだけど、英語だけとびきり悪いんだよ。」
とびきり悪いんだ、って。
いったいどんな説明なんだ。
「で、次のテスト70点以下だと1週間部活やらせないって言われたんだよ。
学生の本業は勉強だから、勉強ができないやつに部活はやらせられないって。
そんなこと、陸上部だと言われないだろ。」
「え、うん、まぁ…
赤点だと補習受けなきゃで、その分削られることはあるけど赤点じゃなきゃ大丈夫だから…」
「だろ?
サッカー部だけじゃなくて、水泳部とバスケ部もそうなんだと。
弱い部活ばっかりそういうこと言ってんだよ。
それってすげー腹立たね?
陸上部とか野球部は強いから言われないのに。
………サッカーなんて、夏より冬の大会の方が重要なのに、この時期にそんなことされたら勝てるもんも勝てなくなるじゃん。
だからすげームカついてさ。
だから次のテスト、俺は負けるわけにはいかないっつーかやるしかないんだよ。
だから、朝榑林に頼んだんだよ。英語、教えてくれないかって。あいつ頭いいしさ。
そしたら、宮下のが英語はできるからって言われて、修学旅行、同じ班にしてくれたんだよ。
修学旅行、同じ班なら時間無駄にしないで英語の勉強できるからって。」
「………でもどうしてそんなに頑張るの?
和泉には来年もあるのに。」
「だって俺、前もいったけど弱い学校のサッカー部を強くするのが目標だから。
来年も、何て言ってる暇ないだろ?
それに、俺外国語に力入れたいんだよね。」
「外国語?なんで?」
「将来の夢がサッカー選手だから。」
「………そっか。
私、スペイン語も話せるよ。」
「え、なんで…」
「んー、子供の頃に触れあってたから?」
「いや、そうじゃなくて
俺スペインのサッカーが好きだって言ったっけ」
「………香坂から聞いたの。」
「あぁ、そういうこと。」
知ってるよ。
だってスペインのサッカー好きだっていってたもん。
私の部屋でサッカーの試合見てたもん。
忘れないよ、私は。