君の瞳に映りたくて。
「でもさぁ、修学旅行はテストのあとだよ?
班は関係なくない?」
「いや、でもやっぱ仲良くないやつと一緒の班ってのもやだし、とくに祥也なんてかなり女選ぶからさー。
宮下と一緒がよかったんだよね。」
「はは、そっか。
香坂ね、あれは確かにレベルが高いもんね。」
「だろ?
つーことでこれから宮下んち行くわ。」
「え、これから?」
「だって教えてくれるんだろ?」
「………まぁいいけどさ…」
「俺んちさぁ、結構うるさいんだよね、女関係に。
家はダメ、みたいな感じでさ。
まぁ優衣の場合しかわかんねーんだけど、母さんは元々優衣のことあんま気に入ってなかったってのもあるけど。」
「へぇ、そうなんだ。
じゃあまぁ怖いし、うちでいいよ。」
うちはうるさく言う人が誰もいない。
っていうか、いたとしても彼氏!?なんて大騒ぎの大歓迎だと思うし。
ある意味、普通にうるさい。
「宮下んち家族はどこにいんの?」
「え。
………まぁ、遠いとこ。」
「なにその超アバウトな答え。
しかも遠いところなんてわかってるし。
近いなら一緒に住めるだろうし。」
「あー、そうだね、はは。」
「あ、誤魔化した。」
「まぁそのうち言うよ。」
別に家も知ってる和泉には言ってもいい。
言ってもいいんだけど…和泉にはもう一回説明したことがある。
そんな人にもう一度説明するのは…なんか、悔しい。