君の瞳に映りたくて。



「………じゃあ舞桜の幽霊でもいいから会いたい相手って」


「うん、弟。
その日ね、実は弟の誕生日だったの。
両親は朝おめでとうって言ってたんだけど、私は夜プレゼントあげるときに言おうってとっといたの。
………なのに、言う暇なくいっちゃうから…」


「………そうだったんだ。
ごめん、辛いこと言わせた。」


「ううん、大丈夫。」


「………俺の事は見えて弟の事は見えないってことは、弟くんは未練なく成仏できたんじゃない?」


「そうだといいけどね。」


笑ってなきゃ。和泉が自分を責める。
笑え、私。


「ご両親は?仕事?」


「うん。
………アメリカでね。」


「え、じゃあここには…」


「私一人。
あ、気にしないでね?そんな寂しくもないんだよね。
私くらいの歳だと親がちょっとうざくなったりするもん。」


「………寂しくないの?」


「寂しくは、ない。たまに帰ってくるしね。」


「…じゃあ、怖くないの?」


「え…?」


「目の前で銃乱射されたのに、ここで一人で怖くない?」


「…………うん、怖い。
でもアメリカにいるよりはここで一人の方がいいかな。」


「………そっか。」




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