君の瞳に映りたくて。



「………なんか、もう聞くことないんだけど」


「でしょ?
英語なんてね、覚えちゃえば簡単だもん。
それに、やるなら少しずつの方がいいしね。
やってみてまたわからないところあったら聞きにおいでよ。
まとめてやるとまたフリーズしちゃうし、わからないところを1つずつね。」


「そうだな、さんきゅ。
………俺帰った方がいい?」


「え?別にどっちでもいいよ。
どうせ雨で暇だしね。」


「宮下は勉強しねーの?」


「もちろんするよ!
赤点だったら困るもんー。
また香坂んち押しかけようかなって感じ。」


「俺には聞かねーの?」


「え、和泉に?」


「俺、古典と日本史得意だよ。」


「え、そうなの?
なら日本史聞こうかな。
言っとくけど私、全くわからないからね。」


「そんな胸はって言うことでもないけど」


だって、アメリカでは日本史なんてやらないから。
世界史はあったけど、世界史で日本のことが出てくるなんてまずなかったしね。


「で、どこわかんないの?」


「もう全部わかんない。
そもそもこの人だれ?名前なんて読むの?とかそういうレベル。」


「は?そんなわかんないの?」


「わかんないの。
これ(中大兄皇子)とか読めない。」


「はあ?これ中学か…下手したら小学校でやったけど。」


………そんな呆れた顔で見ないでよね。
アメリカでは名前残ってないもん。
世界的に影響力がないとまずムリだよ。


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