君の瞳に映りたくて。



「…あのさ、中学私立だよな?」


「うん、私立だよ。」


「普通高校そのまま行かねー?
付属とかなら」


「んー、だってこの家からじゃ遠すぎてムリなんだもん。
言っとくけど、向こうだと私なかなかの優等生だったんだからね!」


「はぁ?中大兄皇子も読めねーのに?」


「なかの、おおえのおうじ?」


「これ!」


「あぁ、そうやって読むんだ。」


漢字って難しい。


「なんか俺が頭いたくなってきた…」


「頑張ってよね!」


「ちなみに前回は何点だった?」


「82点。」


「は!?なんで!?」


「香坂に教えてもらったからかな?
名前とか読めないって言ったんだけど、読めなくても全く問題ないって。
読み仮名をふれ、なんてレベルの低い問題はでないからって。
とりあえず香坂に言われたことを覚えたら点数とれたの。
前回は本当に香坂のおかげ!」


香坂さえいてくれれば赤点なんてまずとることはないよね。
頭のいい友達をもってよかった。


「………じゃあ次は90点な。
祥也より俺のがわかりやすいって証明してやる。」


「え?別に疑ってないけど…」


「その代わり、教えたお礼はちゃんとしてくれよ。」


「え、英語教えたじゃん!」


「それはそれ、これはこれ。」


「………まぁ私にできることならね。
女の子紹介してとかはムリだからね。」


「そんなことは頼まねーよ。」


「ならいいよ。」


「じゃあ決まり。
よし、やるか!」


………なんか、結局私が教えてもらってるね?
まぁ全然いいんだけどね。



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