君の瞳に映りたくて。
和泉said
***
「今なに話してたんだよ。」
「………なんだ、春翔か。
別に。大したことじゃねーよ。」
「大したことないなら言えよ。」
「…ただお前の弱点ないか聞かれただけ。」
「弱点?」
………あぁ、俺がさっき宮下の弱点を知ったからか。
そういや俺ってくすぐられても平気だな。
なら聞かれても平気か。
「で、なんて答えたんだよ。」
「宮下じゃねーのって答えた。」
「は?」
「さっき、俺が宮下と話してるときこっち見てたろ。
春翔ってさ、宮下のことどう思ってんの?」
「どうって………わかんねー。
友達?」
「なら、俺があいつと何話そうが構わないだろ。
いちいち聞くなよ。」
………なんだよ、ムカつくやつ。
でも、俺はもう女に振り回されたくない。
あんな虚しい思いはもう二度としたくない。
恋愛なんて、もうこりごりだ。