君の瞳に映りたくて。



「最近さ、香坂と美乃里も仲良しだよね。」


「まぁ修学旅行同じ班だし、最近班ごとに席替えもしたしな。」


そう、テスト前日、あのお母さんたちが帰ってきた日に席替えをしたんだ。
美乃里と香坂の気遣いで今、私は和泉と隣の席。
テスト期間は離れてたけど、今日からまた隣の席で幸せすぎる。

見てるだけだった和泉が今はすぐ近くにいるんだもん。


「あ、俺自販機だから。
お弁当とってきたらそこで待ってて!」


「うん、オッケー!」


前まで優衣ちゃんがいたポジション。
今は私が独占してる。

………今だけ、いいよね。


「おばちゃん!舞桜の!」


「あぁ、舞桜ちゃんのこれね!」


学校には学食もあるけど、ここのお弁当が美味しすぎて私はいっつもお弁当。

前日までに予約もできるから、予約しとけば本当に楽チン。並ばなくていいし。


………和泉、まだかな。
自販機すごい混雑だもんなー…。


「悪い、混んでたー。」


「あれ、早いね。
もっとかかるかと思った。」


「自販機は並ばないからさ。
いかにはやく小銭をいれるかの勝負だから!」


「はは、そっかそっか。」


「これ、宮下にやる。」


「あ、バナナミルク…いいの?」


「ま、英語教えてくれたお礼かな。」


「えー、やっす!」


「まぁまぁいいじゃん!」


「まぁいいけどさ。
バナナミルク好きだし。」


「普通イチゴミルクじゃね?」


「イチゴミルクは争奪戦激しいし、それに私そんな可愛い飲み物似合わないもん。
バナナミルクくらいがちょうどいいし、それにけっこう美味しいよ。」


なんて話をしながら、歩きながら、私はストローを刺してもう飲み始めた。


「うん、おいしい。」


今日のは和泉が買ってくれたから一段と。



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