君の瞳に映りたくて。



「………一口ちょうだい!」


「え、あ!ちょ!」


「あ、ほんとだ。
思ってたよりうまい。こっちのが好きかも。」


か、間接キスだよ!和泉!!


「も、もー、私のがなくなっちゃうじゃん!」


平常心、平常心……意識するな。顔が熱く…


「ちょ、待って!もう一口!」


「えぇ!!」


あ、手が…手が触れたよ!指絡まったよ!
もうやばいってば、バカ。


「ほい、さんきゅ。
もう半分くらいしかないけど。」


「え!ちょ、飲みすぎー!」


「いいじゃん、俺の金だもん」


「もー、私にくれたんでしょー。」


なんて言うけど私、絶対顔にやけてる。
今、最高に幸せだもん。


「二人とも遅いよー。」


「ごめんごめん。
和泉が遅くて。」


「いや!さっき思ってたより速いって言ってたじゃん!」


「思ってたより、でしょ!」


「はいはい、うるさい。
静かに食べて。」


………温度差。ねぇ、温度差。
美乃里と香坂ペアと、私と和泉のペアの温度差が激しい。



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