君の瞳に映りたくて。



「ねぇ、舞桜。
ほんとにいいの?タクシー代…」


「あぁ、全然気にしないでよ。
もう予約したから。」


「はや!」


「だから丸二日、ずーっとタクシー移動で大丈夫だよ。
電車とかは危険も多いからさ。痴漢とかはいないけどスリとか普通にいるし。
あ、だからなるべく細かくお金分けた方がいいよ!
それに夜は普通に人殺しのかもいるから。
だから車は絶対あった方がいいの。
よくさ、夜にホテル抜け出して…みたいなことあるらしいけど、アメリカだと普通に危険だから、行けてホテルの庭くらいだね。
とくに5泊目のホテル、ランクも高いから変な人はまず入らないし、庭くらいはいけそう。
他のホテルはなるべく部屋からも出ない方がいいよ。

まぁたぶん説明会で言うと思うけどね。」


「…人殺し…?」


「アメリカだとけっこう多いよ。
日本とは全然治安が違うから、気を付けてね。
英語ができない日本人はいいカモにされたりもするから、やたらとYes!とかも言わない方がいいよ。
それでギャングの街に置き去りにされた子とかもいるから。
ま、昼間はそこまで警戒しなくていいけどね。」


「…すごいところだね…」


「まぁちょっと大袈裟な部分もあるけどね。
バッグは必ず前で目の届くところに、みたいな最低限の警戒は必要だけど、今のロスは昼間はどこを歩いててもそんなに危険はないし、まぁ置き引きなんかは多いけど、夜さえ気を付ければ平気。」


「………あのさ、宮下ってなんでそんな詳しいの?
よく言ってた?」


「え…あ、うん。まぁね。
親がロサンゼルス大好きで…」


「へぇ、そうなんだ。」


まずいまずい。
あんまり詳しすぎてもダメだね。
香坂はなんにも考えてないって感じだけど和泉は結構話聞いてたし…


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