君の瞳に映りたくて。



「でも、修学旅行が終わったらなんか寂しいね。」


ポツリと美乃里が儚い表情でそんなこと言うから、こっちまで悲しくなってくる。


「文化祭も春だったしね。」


「期末テストまではイベントはないな。」


「しかも次のイベントがテストって。」


「ま、それを乗りきれば冬休みじゃん?
クリスマスに年越しに初詣!
冬休みは楽しみでいっぱいじゃーん。」


「春翔、彼女いねーのにクリスマス楽しみなわけ?」


「はっ!そうだった!!
今年は彼女いないんだ!!」


「あはは、そこ忘れる?
この中じゃ美乃里だけだね、相手がいるのは。」


「えぇ!榑林って彼氏いんの!?」


「なに、いたら変ー?」


「いや、そんなことはないです。」


「でも香坂も和泉もモテるんだから、過ごそうと思えば女の子と過ごせるじゃん。」


「宮下は?」


「私はー…年末の大掃除かな。」


「それ普通クリスマスにやる?
超可哀想な人じゃん。」


「うるさいよ!
和泉だって似たようなもんじゃん。」


だって、引越しの支度に追われるだろうから。
一人でやらなきゃだから、冬休みは大忙しだよ。


「じゃあさ、カウントダウンは4人で過ごさねー?
俺んちで!」


「はは、まぁいいけどさ。
和泉、気が早すぎじゃない?
まだ10月だよ?」


「いいじゃん!
楽しいことは予定組んどくの!」


「とかいって、彼女できたから俺パス~!とかなしだからね。」


「ま、それは宮下もだけどな?」


「ふふ、はいはい。」


カウントダウン、か。
もうそのとき、私は日本にいないんだろうな。

果たせない約束しちゃった。ごめんね。



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