君の瞳に映りたくて。



それから朝礼なのか出発式なのかよくわかんないものが行われ、私たちはバスへと移動した。


私はもちろん美乃里の隣。
そして通路はさんで和泉、香坂がいる。
これが一番話しやすいしね。


「はい、みんなこっち向いてー。
写メとるよー」


バスにのってすぐ、とりあえず写メな美乃里。
女子高生っぽい。


「美乃里、送って。」


「うん。」


和泉と一緒に写メも初めて。
機会があれば二人でも撮れたらいいのに。


「宮下、口開けて」


「ん?…あ、ポッキー。」


「ん。」


通路を挟んで和泉が腕を伸ばしてポッキーを私の口元に運んでくるから、私も素直に口を開けた。

後ろの人から丸見えなのにさ。


「ありがと。」


「榑林はー?食う?」


「私はいらない。
ダイエット中ー。」


「ダイエット!?美乃里が?
………細いじゃん。」


細くて綺麗な美乃里がする意味あるんでしょうか。


「………私のがしたほうがいいよね、絶対。」


「あんたは筋肉でしょうが。
体脂肪率でいったら舞桜のが少ない。絶対。」


「そうかなぁ…」


「宮下はいっぱい走ってんだから、食べるのやめたら倒れるよ?

そのままでも十分だって。」


…………和泉がそういうなら…


「そうかな?」


納得しちゃうよ、私。



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