君の瞳に映りたくて。



「うわ!動いた!」


「和泉うるさい。」


こんな私の両サイドだけど、そんな状況すら楽しい。
なんでも楽しめるっていいことだと思うしね、和泉みたいな。


「おい、祥也飛ぶぞ!」


「…あー?」


香坂なんて半分寝てたと思うけど。


「うはー、飛んだ!
ジェットコースターみたいだな!」


一気に加速して、一気に浮上して、水平飛行に変わるときのあの浮遊感はまぁ確かに少しジェットコースターみたいだけど。


「でももう楽しいときも終わっちゃったね。
あとは寝るだけー。」


「いや、まだ軽食がある。」


そんな真面目な顔して言わなくても。
一緒にいるとずーっと楽しい。和泉って。


「あ、そうだ。
英語の本あるよ。読む?」


「いや、まだ軽食がある。」


壊れたロボットみたい。
他に言うことないのかな。



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