君の瞳に映りたくて。
しばらくして軽食が運ばれてきて、飲み物をのみ、ブランケットを受け取ってすぐ、香坂は眠りについた。
この人はよっぽど眠かったんだと思う。
「私も寝よっかな。
この音楽聴いてたら眠くなってきた。」
「いいなー、私なんか全然眠くならないのに。」
「舞桜もはやく寝なよ?
それと静かにしててね。」
美乃里はそういってヘッドホンをし、眠りについた。
「私も寝ないとなぁ…」
「俺も。
でも寝れる気配ない。」
「ね、ほんと。」
機内はまだガヤガヤしてるけど、両サイドが寝てる私と和泉は小声でひたすらお喋りをしていた。
一緒に映画まで見ちゃったり。
気づけば周りはシーンとしていた。
「和泉、みんな寝ちゃったんじゃない?」
「だな。起きてるの俺らだけかも。」
なんて耳打ちでこそこそ言うから、それがまたなんかくすぐったい。
和泉だから絶対いいけどね。
「あ、宮下の髪の毛いいにおい。」
「なっ!」
「シー!」
「………変なこと言わないでよ。」
「えー、本当のことじゃん。
優衣なんかはそういうと喜んでたのに。」
「………そりゃ彼氏に言われたら嬉しいだろうけど。」
私と元カノを比べないでよ。
そういうのちょっと傷つくのに。