君の瞳に映りたくて。
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「宮下!起きたか?」
「………和泉か…もう、なに?
いい夢見てたのに…」
「それより、バスん中誰もいないんだけど」
「………え!?」
うそ、置いてかれた?寝てたから?
そんなことってある?
「ここ、どこだっけ?」
「ここは………あぁ、美術館。
ここ私入ったことあるし、別にいいや。
和泉は?行く?」
「なら俺もここにいよ。
それより、どんな夢見てたの?」
「え?………忘れた。」
「はぁ?
ほんっと宮下って記憶力悪いよな。」
「夢なんてすぐ忘れちゃうもんじゃん!
和泉だって夢は忘れるでしょ!」
「俺、どうしても忘れられない夢があるんだよ。
っていうか現実だったのか、夢なのか曖昧だから宮下に聞きたいんだけど」
「は?え、私に聞くの?」
「俺ってさ、空飛んだことある?」
「………は?
いや、さっき飛行機のって飛んでたけど」
「そういうんじゃないんだよ!
俺自身が宙に浮いてるっつーか……なんか夢なのか現実なのかわかんねーんだよ。
ただ夢にしてはすげーはっきり覚えてて…」
「………なんで私に聞くの?」
「最初祥也に聞いたんだけど、宮下に聞けって言うから。
なんつーの?風船たくさんつけて浮いたこととか俺ないのかなーって」
「知らないよ。っていうか風船たくさんつけても浮かないでしょ。」
「そうなんだけどさ。
やっぱ夢だったのかなー。」
「宙に浮く、ねぇ…」
もしかして幽体だった頃のこと…?
だけど、私の近くにいたときはほとんど浮いてなかったしなぁ…。
あったっけ?浮いてたこと…