君の瞳に映りたくて。



「あ、ポッキー食う?」


「はは、まだあったの?
和泉ってポッキー好きなんだね。」


「まぁねー。はい。」


「ありがと。」


今度は普通に手渡し。
でもポッキーは持つところが短いから自然と手が触れて、これはこれでドキッとする。


「そういやこの前部室でポッキーゲームしててさー、俺隆志とキスしちゃって最悪。」


「隆志って森下隆志?」


「そうそう。あれは男同士でするもんじゃないな。」


「あれは恋人同士でするもんでしょ。」


「彼女とやっても、キスして終わりじゃん。
ぶっちゃけ、そのためだけにやるだけになるし、勝負になんねーし。
やっぱ付き合ってない男女でやる方が超真剣になるってもんだよ。」


「え、もしかして和泉は誰かとあるの?女の子と」


「まさか。
でも、祥也は前の彼女とそれがきっかけで付き合うようになったんだよ。
キスして、お互い意識して、みたいな。」


「うわー、香坂もそういうことするんだぁ…」


あの香坂が。
………香坂のキスシーンとかちょっと見てみたいよ。


「宮下は?したことあんの?ポッキーゲーム。」


「まぁ、女の子とならあるよ。
でも実際キスまでいっちゃったことはないかな。
すごい手前で折れちゃったこともあるし、下手なのかも。」


「じゃあ、俺としてみる?」


「…えぇ!?」


「ほい。」


「いや、だって…」


か、顔が熱い…



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