君の瞳に映りたくて。



「宮下ってキスしたことないの?」


「………なかったら悪い?」


「え、まじで?」


「な、別にいいじゃん!」


「別にいいけどさ。
じゃあ彼氏とかいたことねーんだ?」


「ないよ。
っていうか中学までは女子校だったし、男子と話すことだってそんななかったし。」


「へー、そうなんだ。
初恋は?」


「今初恋真っ最中。」


「へー、叶うといいな。」


「和泉は?初恋いつ?」


「小さな頃。
ガキの頃だから初恋とかいっていいのかわかんねーけど。」


「いやいや、小さい頃でも好きだったなら初恋でしょ!」


「まー、あんま覚えてないんだけどさー。
ただただ好きな子がいたな、くらい。」


「そんなもんでしょ。
私もさ、仲良かった子いたのに、名前がわかんないんだよね。
目がくりくりした可愛い女の子。」


「まぁガキの頃のことなんてそんなもんだもんな。」


そんな話をしていたらみんなが戻ってきて、私たちはすぐさま先生に怒られた。


「お前らはなにしに来てるんだ!!」と。


「旅行だよ!!」


「修学旅行だ!!」」


くだらない和泉の反発に、先生はさらに怒って前にいってしまった。


そこに、香坂と美乃里も戻ってきた。


「和泉、起きたなら席変わる?」


「んー、移動すんのもめんどいし、俺ここでいい。
宮下いじんの面白いし。」


………私はあんたのおもちゃじゃないわ!!

まぁ、隣にいてくれるのは嬉しいけどさ。




< 277 / 500 >

この作品をシェア

pagetop