君の瞳に映りたくて。
「宮下ってキスしたことないの?」
「………なかったら悪い?」
「え、まじで?」
「な、別にいいじゃん!」
「別にいいけどさ。
じゃあ彼氏とかいたことねーんだ?」
「ないよ。
っていうか中学までは女子校だったし、男子と話すことだってそんななかったし。」
「へー、そうなんだ。
初恋は?」
「今初恋真っ最中。」
「へー、叶うといいな。」
「和泉は?初恋いつ?」
「小さな頃。
ガキの頃だから初恋とかいっていいのかわかんねーけど。」
「いやいや、小さい頃でも好きだったなら初恋でしょ!」
「まー、あんま覚えてないんだけどさー。
ただただ好きな子がいたな、くらい。」
「そんなもんでしょ。
私もさ、仲良かった子いたのに、名前がわかんないんだよね。
目がくりくりした可愛い女の子。」
「まぁガキの頃のことなんてそんなもんだもんな。」
そんな話をしていたらみんなが戻ってきて、私たちはすぐさま先生に怒られた。
「お前らはなにしに来てるんだ!!」と。
「旅行だよ!!」
「修学旅行だ!!」」
くだらない和泉の反発に、先生はさらに怒って前にいってしまった。
そこに、香坂と美乃里も戻ってきた。
「和泉、起きたなら席変わる?」
「んー、移動すんのもめんどいし、俺ここでいい。
宮下いじんの面白いし。」
………私はあんたのおもちゃじゃないわ!!
まぁ、隣にいてくれるのは嬉しいけどさ。