君の瞳に映りたくて。


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「なんかやっぱ宮下と同じ班でよかったわ。」


一時間くらい買い物をしたり、食べ歩きをしたりと過ごしていたら、突然香坂がそんなことを言い出した。


「な、ほんとにペラペラだもんな。」


そりゃそうだ。
私はここで10年近く生きてきたんだから。


「みんなも英語話さないと。
せっかくの修学旅行なんだから。」


「舞桜がいると必要性感じなくなる。」


なんだそれ。


「ってか喉乾いた。」


「俺も。
自販機とかねーの?」


「ないよ。
っていうかあっても壊れてるからお金入れない方がいいよ。
普通にお店で買った方がいい。絶対。」


自動販売機だけじゃない。
自動○○はすべて信用できない。

自動両替機とか。


お金入れても無反応なんだもん。
詐欺か、あれは。


………今はどうなのか知らないけどさ。



「あ、あそこにスーパーあるじゃーん。」


………え?


「ちょっと和泉。絶対曲がるなって言われてるでしょ?」


「大丈夫だって。
だってすぐそこだし?まだ明るいじゃん。」


……ちょっと待って…ちょっと待って…


「ダメ!!!」


「………舞桜?」


ダメ、そこはダメ…
イヤ…もう、思い出さないでよ…


鳴り響く何発もの銃声
店内に響く奇声
目の前に倒れた、血まみれの将生………


「イヤ…イヤ…」


「舞桜!!」


「………あ…」


美乃里…和泉…香坂が…


「どうした?すげー汗だけど…」


「舞桜、もしかしてあそこが…」


…そっか、美乃里には話したんだっけ…


「………うん、ごめん…」


「向こうで休も。」



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