君の瞳に映りたくて。
「あのさ、舞桜。」
「ん?」
「話全然変わるんだけどね
………私昨日和泉が告白されてるとこ見たよ。
ホテルで。」
「え、まじですか」
「ほら、夜学級委員だけ呼ばれたでしょ?
あのときたまたま見かけたの。
和泉断ってたけど、このままじゃ誰かにとられちゃうよ?」
「………でも、私もどうせだめだし…」
「あんたねぇ、このまま離れたら後悔するよ?
ダメかなんてわからないじゃん。
今和泉と一番仲の良い女子は舞桜なんだから。
自信持ちなよ。」
………そうだけどさ
でもさ、ずっと見てきた私だからわかる。
優衣ちゃんと付き合ってた頃、優衣ちゃんに向けてた笑顔と、私に向ける笑顔は別物だって。
私のことは好きじゃないって、笑顔でわかるよ。
「………当たっても砕けるくらいなら、このまま友達続けてた方が楽しいよ。」
関係崩したくないもん。
「舞桜はさ、和泉の友達になれてるの?
今のままで。ずっと好きだったのにさ。
そんな肩書きだけの友達でいいの?
当たって砕けたって別に良いじゃない。
きっと、そのあとちゃんと友達になれるよ。」
「………もう砕ける前提ですか。」
「だから、和泉はそんなことであんたを切ったりしないってこと。
怯えてないで、ちゃんと戦いなさい。
あんた、負けるの嫌いだけど、あんたは負けを恐れて戦いの舞台にも上がれない臆病の弱い人間なままだよ。
っていうか、あんたら仲良すぎてさっさとくっつけよって、けっこうな人が思ってると思うけど。」
「いやいやいや、和泉にとってはただの友達だからね?」
「ただの友達なのに、間接キスしたりしないよ。」
「………まぁ、それは思ったけど…」
「告白もできないなら好きでいるのやめな。
私はあんたの努力してるところが一番好きなのに。
いつまでもうじうじしてないの!」
「………はい」