君の瞳に映りたくて。
「「おぉー」」
そんな声がバスの中から聞こえた頃にはいつの間にかバスはホテルへと到着していた。
「ここに2泊か。奮発したねー、北高も。」
HOTEL wild strawberriesか。
確かに高級だよね。
こんなところに学生がたくさん泊まって良いのかな。
まぁいいから予約できたんだろうけど。
「でも、周りにはなにもないね。」
「ロサンゼルスは栄えてるところは栄えてるけど、他のところは全然だからね。
このくらい静かな方がいいよ。」
ここは芝生の庭がかなり広い。
元々難易度の高いゴルフ場だったから、夜に部屋を抜け出すにはもってこいの場所。
………星がきれいに見えそうだね。
「よし、降りるぞー。
降りたら中で整列してること!
他の宿泊客もいるから絶対に騒がないこと!
荷物はもう部屋に運んでもらってあるから、鍵を受け取ったらすみやかに部屋にいくこと!
部屋に行ってから班長はまたロビーに集まること!
わかったなー?」
ここで初めて美乃里と二人部屋。
それまでは大部屋だったからね。
大部屋だとお風呂が争奪戦になるからちょうどよかった。
日本みたいに大浴場とか温泉とかあれば良いのにね。
私はいいけど、トイレとかお風呂はやっぱりアメリカらしくユニットバスだから、慣れない子は1週間これはなかなかつらいと思う。
「舞桜、私たちも降りよ。」
「うん。」
………にしてもエントランスも豪華だね。
天井高いし…シャンデリア。でっか。
「はい、榑林さんと宮下さんは8402号室ね。
エレベーターは向こうだから。」
「ありがとうございます。
舞桜、行こ。」
「うん。」
「あ、俺らもいく!」
「うん。
和泉たちは部屋どこ?」
「6102。2階下だな。
男子は6階以上には行くなってお達し付き。」
「はは、そりゃそうでしょ。」