君の瞳に映りたくて。



それから私たちはエレベーターに乗り、部屋を目指した。


「じゃ、またあとでね。」


男子とはここでお別れ。
あとでご飯のときにまた会うけど。


「にしても、ほんと奮発したね。
こんなホテルによく泊まれたよ。」


「ほんとだよね。」


修学旅行でこんな豪華で良いのかな。


「えーと、8402…8402…こっち、かな?」


エレベーターを降りるなり、4方向に分かれる道。
どんだけ部屋数が多いんだ………


「あ、美乃里!ここだよ。」


「え、ここ?ちか!」


それは、エレベーターホールからすぐの部屋だった。


「でも近い方がなにかと便利だよね。
どんな部屋だろ。」


なんて言いながらカードキーを挿し込み、ドアを開けるとそれはそれは広い部屋で…
なんてこともなく、40㎡くらいのツインの部屋だった。


「でも思ってたより広いな。」


それが素直な感想。
28㎡くらいかと思ってたから。

ソファにテーブル、テラスまであって。
解放感抜群だ。


「あとは香坂から指示が来るまで部屋待機だよね。
つまんない。」


「テレビでも見ようよ。」


「舞桜はいいけど、私は英語のテレビを見て理解できるほど優秀じゃないし。」


…そっか、難しいな…



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