君の瞳に映りたくて。
「ほんとにいいの?」
「本当にいいの。
言ったじゃん、俺はもう冷めてたって。
なんつーか、ムカつくんだよね。見てて。
だからいい。」
「………そっか。」
「あっち座ろ。」
「うん。」
本当にいいの?なんて聞いときながら、和泉が優衣ちゃんのところへ戻らなかったことに、私は一人で安心していた。
そんな自分が嫌なのに、好きという気持ちはどうしても抑えられなくて………
「よしっ、ここにしよ。
………あーっ、気持ちいい。」
そういって和泉は芝生に倒れた。
だから私もその横に座った。
「なんでフードかぶってんの?」
「んー、見られないように?
なんとなくだよ。」
「はは、なるほどな。」
和泉はそう言うと体を起こして、私のフードをとった。
「…髪型が変わるだけで印象って変わるもんなんだな。」
「ふふ、そりゃそうでしょ。
和泉だって、今はノーセットでさらさらしてるじゃん。」
私はそういって和泉の髪の毛に手を伸ばすと
「まぁシャワー浴びたあとだしな。」
和泉がそう言い、私の結んでいたヘアゴムをとった。
「こっちのがかわいい。」
なっ…なにを言ってるんだ、この人は!!
………暗くてよかった。
「なんで急に黙ってんの?」
「べ、別に…!」
「あ、照れたんだ~?」
「うっさい!バカ!」
「えー、俺傷ついちゃうよー。
宮下に嫌われんのが一番ショックだわー」
………ねぇ、和泉…
それって私のことを特別に想ってくれてるの?
私期待しちゃうよ…?