君の瞳に映りたくて。
「………星、ほんとにきれいだな~。」
「あ、うん。そうだね。」
「宮下待ってる間に、一個流れたんだよ。」
「お願い事した?」
「そんな暇ないわ!」
「和泉の願い事ってなにー?」
「んー、やっぱ今はサッカー強くなりたい、かな。
ガキみたいだけど、俺は本気でサッカー選手狙ってるから。」
「誰もガキみたいなんて思わないよ。
っていうか、そういう童心は大事だと思う。
大人は現実見ろなんて言うけどさ、現実見た故での夢なのに。
それに、和泉はやっぱりそれに筆答する努力をしてるんだから、ガキみたいなんて思えないよ。
本当に尊敬する。」
「宮下は?夢とかあんの?」
「私は…好きなことやって、好きな人と結婚して、好きな人の仕事を応援していきたい、かな。」
「陸上選手とかじゃないんだ?」
「そりゃもちろんなりたいけど、でもやっぱ好きな人と一緒にいたいってのが一番。
女だしね。
好きな人の幸せをサポートできれば、私はそれで十分。
でも、選手にはなれなくても、走ることはやめたくないな。ずっと。」
「宮下らしいな。」
「和泉もね。」
好きな人と結婚して、好きな人の仕事を応援していきたい、なんて私には叶えられないかもしれない。
………ううん、きっと無理。
だけど、願うことは自由だよね。
「なぁ、宮下って誰が好きなの?
もしかして祥也?」
「え、まさか!」
「え、そうなの?
てっきり祥也なのかと思ってた。
じゃあ誰?」
え、いや、あなたですけど………
香坂じゃなかったらあなたしかいないじゃん…
………どうしよう、言うべき…?
「おーい、宮下ー?」
「………い、ずみ…」
「え?」
「…私は、和泉のことが、好き、です…」