君の瞳に映りたくて。
「……っ。」
立ち上がって振り返れば今度は和泉が立ってて、私はまた下を向いて、和泉の横を通りすぎてホテルへ戻った。
急いでエレベーターにのって、急いで部屋に。
「あ、舞桜おかえりー。」
「……ただいま。」
美乃里を見ることもなく、私はベッドに倒れた。
「どうしたの?」
「……フラれた。」
「は?」
「和泉に好きっていって、フラれたの!」
「え!?うそ!本当に?」
「じゃなきゃこんなに落ち込まない。」
「……そっかぁ…
でもさ、和泉はそんなことで離れていかないでしょ。
大丈夫だよ。」
「……和泉はね。
でも、私にとっては"そんなこと"じゃないもん。
また和泉と仲良くなんて…できないよ。」
「じゃあもう諦めるの?」
「当たり前じゃん。
……それにどうせ私は和泉と付き合えない。
本当に好きだから。
和泉には夢を追いかけてほしいから、その邪魔はできないから。
………フラれてよかったの。」
「舞桜……」
美乃里が珍しく潮らしい声を出したから、私は体を起こして、テラスに出て星を見上げた。
ねぇ、和泉…
フラれちゃったけど…私も願いは
"これからも君のことを好きでいさせて"