君の瞳に映りたくて。



翌日ー


「はぁー…」


「いつまでそうしてんだよ、春翔。
さっさとしねーと朝飯食えねーだろ。
つーか宮下たち待ってるっつーの。」


……俺、どんな顔して会えばいいんだよ…


「ほら!さっさと行くぞ!」


「まだ心構えが!!」


「そんなのいらねーよ!」


くっそ、こいつ少しは俺の気持ちも考えろよ!!


「そんなに悩むなら、竹下んときみたいにサラッと付き合っちゃえばよかったろ。」


「そんなわけにはいかねーよ。
………宮下とはそんな軽い気持ちで付き合うわけにはいかねーんだよ。
あいつは特別なんだよ。」


「それが宮下にはまったく伝わってねーけど」


……わかってるよ。
だけどあいつなんにも話聞いてくれねーし…


「ほら、いる。」


え。
……宮下こっち見てねーし…


「あ、遅いよー!」


「悪い悪い。」


先に気づいたのは当然ながらこっちを見ていた榑林。
それに返事した祥也の声に宮下が振り向いて、だから自然と俺と目が合った。


「……おはよ。」


「え…あ、おはよ…」


宮下は俺を見ながら、俺に微笑んで"おはよう"と言ってくれた。


「和泉が寝坊でもしたんでしょー。」


そうやって俺に笑って言う宮下は本当にいつも通りで…


「ち、ちげーし!」


……これはこれで、なんだか拍子抜け……


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