君の瞳に映りたくて。
昨日までとは違い、遠くなった宮下に俺は肩を落とし、視線も落ちた。
昨日まではなんにも考えずに近づけたのに。
「私ちょっとトイレ行ってくる。」
俺が床と宮下を交互に見てると、榑林が突然俺の腕を叩いてからそう言った。
「あ、俺も。」
そんな榑林に合わせたように、祥也もそういって二人は消えた。
完全に気つかわせたっていうか、なんていうか……
空気を読んだんだろうけど、なんつーか……
……でも、俺もちゃんと言わねーと……
「あのさ、宮下…昨日のことなんだけど…」
「ふふ、昨日のことって、昨日のどれ?」
あ、笑った。俺に笑った。
……いつも通り、だよな?
「夜、二人で話してたときの。
俺、ちゃんと話「もう忘れて?」
「……え?」
「私、あの時なんにも考えずに言っちゃったけど、和泉と付き合いたいとかそういうのじゃないから。
…っていうか、付き合えないんだよね。
そんなやつが告白なんかするなよって感じだけど、あの時は忘れてて。
ごめんね、だから忘れて。
私も忘れることにしたから。」
「……なんで?それって俺限定?」
「……うん、和泉限定かな。」
「なんで?」
「…私は、サッカーをやってる和泉が好き。
サッカー選手目指して頑張ってる和泉が好き。
だから、かな。」
……意味不明なんだけど…
「どういう「まおー!!!」
「きゃあぁ!!」
……遮られたし。
つーか、誰。
この宮下の後ろにくっついてる金髪男、誰。
なんで抱きついてんの?…俺なんて拒否られてんのに。