君の瞳に映りたくて。



「り、りあん!なんでここに!?」


「もちろん舞桜に会うために決まってんじゃーん!」


「いやだから、なんで私がここにいると…
っていうか離れてよ。話しにくいし。」


「えぇー。まぁ仕方ない。
……あれ、誰?」


いや、やっと気ついたのかよ。
俺ずっとここにいたけど。


「クラスメイトの和泉。」


「いずみー?女みたいな名前だな。」


……なんなんだ、こいつは。
こんなムカつくやつ初めてなんだけど。


「和泉は苗字。
Farst nameは春翔。」


「ふーん。」


……随分と宮下に対する態度とちげーんだな?おい。
なんなんだよ、その興味なさそうな顔は。


「で、そっちこそ誰。」


「彼はLiam Lewis(リアン ルイス)。
父親がアメリカ人で、母親が日本人で、髪の毛の色とか背の高さは父親譲りだけど、顔とか肌の色は母親譲りだからパット見日本人でしょ。
両国籍もってるから、アメリカ人でもあり、日本人でもあってアメリカに住んでるときもあれば、日本に住んでる時もあって、日本語ペラペラだよ。

私が前住んでた家の隣で家族ぐるみで仲良くて、幼馴染みってやつかな。」


「幼馴染みでもあり、婚約者でもあるけどな!」


「…婚約者?」


「ちょ、リアン!何いってんの!
しかも決まったことじゃないじゃん。」


「でも舞桜、まだ彼氏いないんだろー?
それに舞桜のお父さんは俺を希望なんだから別にいいじゃん。
俺も舞桜好きだし。」


「……どういうこと?」


「親が勝手に言ってるだけだから」


「舞桜が20歳までに彼氏作らなかったら俺と結婚すんの。」


……結婚?なんだそれ。
だから俺と付き合えないってことか?
いや、でも俺限定って言ってたし、祥也とかならいいってことか?


「とにかく、私は絶対恋愛結婚すんの。
親が決めた結婚なんて絶対嫌。」


「だから、俺を好きになりゃいいじゃーん。」


「絶対嫌。」


…すげー拒否。
これならまだ俺の方が扱いマシ?かな?
むしろ俺のこと好きなら……俺のが勝ってる。

……いや、でもな…



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