君の瞳に映りたくて。
忘れることにします。
***
「Is it him behind?(後ろの彼?)」
「え?」
ずっと日本語の会話だったのに、突然始まった英会話。
最初、私はその意味がわからなかった。
「What?」
「Beloved one.(好きな人)」
「え!な、なんで……」
「I heard it from your mother and understand it if I look.(舞桜のお母さんから聞いてたし、見てたらわかるよ。)」
「Oh, my god……」
そんなわかりやすいかな、私って……
しかもよりによってリアンに。
っていうかお母さんもなんでリアンに言うかな……
「But it was already declined.(でももう断られた。)
In addition, because I cannot keep company with him, too.(それに、私も彼とは付き合えないから。)」
「Why?」
「Because I love him.(彼の事が好きだから。)
Seriously.(本気で。)」
私は和泉の邪魔はしたくない。
和泉の夢を応援したい。
だからもう、和泉のことは諦めることにしたんだ。
……最初っから諦めてたくせにね。
途中から歯車が狂っちゃったんだよね、きっと。
少しずつ、また戻していくから。
だから今だけ。今だけはまだいいよね。
「Then you should choose me.(なら俺にすればいいのに。)」
「I promised.(約束したの。)
I certainly marry a beloved person.(私は絶対好きな人と結婚する。)」
「With whom?(誰と?)」
「Masaki.」
ね、将生……
お姉ちゃん、あんたの分まで笑うって決めたんだ。
将生の分まで生きる。幸せになる。
悲しさ、寂しさには蓋をするって決めたんだ、あの日から。