君の瞳に映りたくて。



パークに入ってから、私は切り替えスイッチを押した。
もうね、今だけだよ!こんな楽しいのは!


「あ、これ絶対和泉に似合うよ~。」


「いや、どんだけ感情こもってねーんだよ。」


私は背伸びをして、リボンカチューシャを和泉の頭につけた。
和泉も嫌がらない。嫌がってはないけど、顔は決して喜んでもいない。


「うん、和泉は目が大きいし顔が小さいからすっごいよく似合ってる!」


「嬉しくねーわ!!
榑林!お前も笑ってんな!」


「あはは、ごめんごめん。
似合いすぎて笑っちゃった。」


絶対和泉はこれでしょ。
かわいいもん、ピンクだし。


「……なら、宮下はこれだな。」


「ぶっ…!
な、なに……」


今度は突然和泉になにか被らされた。


「……なにこれ!全然可愛くないし!!」


「そんくらいブスな帽子被ってれば宮下の顔も引き立つな~。」


「はぁ!?ひっど!!」


今のはさすがに傷ついたよ?和泉くん?


「ウソウソ。
よく似合ってるよー。」


「嬉しくないわ!!」


でも、こんな風にバカみたいなことが出来ることが、やっぱり嬉しいよ。

楽しくて楽しくて仕方ない。



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