君の瞳に映りたくて。



「婚約者がいるくせに告白なんかしてんじゃねーよ。」


「忘れてないじゃん!
それに婚約なんてしてないし。お父さん同士が勝手に言ってるだけで。」


「そういうの、許嫁って言うんじゃね?」


「古っ。いつの時代?
そんなんで結婚するわけないでしょ。」


「でも、あいつは本気そうだったじゃん。」


「……和泉ってさ、どこにムカついてるの?
婚約者とかいるくせに私が告白したこと?
それとも、私に婚約者がいたこと?」


「は?
……忘れた。」


「え、なにそれ。」


「あ、ほら。
次俺らの番だし行くぞ!」


「ちょ、和泉~!」


ねぇ、和泉。
私、自惚れちゃうよ?

和泉が嫉妬してくれなんだって。
今、さりげなく繋いだ手だってさ。










「……で、なんでいきなり観覧車?」


「いや、俺絶叫とか苦手なんだよね。」


「え、そうなの?意外~。」


「宮下は好きなの?」


「だいすき!」


「えっ…」


「え?」


なんか…変なこと言ったかな…
思いっきり目をそらされたけど……


「…いい眺めだな」


「あー、うん。そうだね。」



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