君の瞳に映りたくて。


"ブーッブーッブーッ"


うわ、なにっ…こんなときに……
って和泉からLINE?


"ごめん!宮下と会うの楽しみすぎてシャワー長時間浴びて気分悪くなったから、今日は部屋で休むな。まじでごめん!"って。


めっちゃ嘘じゃん。
今目の前で優衣ちゃんと一緒に歩いてんじゃん。

……嘘ついて、私の心を惑わそうとしてんのか?この男は。
自分は元カノと歩いてるくせに。
私には嘘ですか。

…………もしかして今までも私を弄んでたのか?
今まで私を喜ばしてきた言動も、もしかして嘘だったのか?
今みたいに……


…………うわ、止まった。木…あ、ここでいいや。
あ、返事返しとかないと。


"了解。部屋でゆっくり休んでね。"


ね、そこで女の子とならんで座ってるイケメンさん?

嘘ついてんな、バーーーーカ!!!


「で、話ってなに。」


あ、始まった。


「……あのね、全部話すから。
全部聞いてほしいの。全部真実だから。」


優衣ちゃんは、和泉の目を見て、真剣にそう言った。


「確かに最初は春翔のこと、好きじゃなかったの。
春翔みたいなスポーツに燃えてます!みたいなの、全然興味ないしさ。」


「じゃあなんで告白なんかしてきたんだよ。」


「友達との賭け。
学年で一番モテる春翔を落とせるかどうか。」


「はぁ?ふざけんなよ。」


「……うん、ふざけてたよね。」



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