君の瞳に映りたくて。



「…っていうか、話はそれじゃなくてさ…」


「………なに?」


「…祥也と付き合ってんの?」


「え、まぁ…うん。」


「なんで?」


「昨日和泉から連絡きたあと二人の部屋に行って、香坂と話してそうなったから。」


「いや、でも一昨日は俺のこと…」


「忘れてって言ったじゃん。
それにさ、和泉だって優衣ちゃんと付き合ったときは好きじゃなかったんでしょ?
それと一緒。
付き合ったら好きになるかもだし。
っていうかなれる気がする。香坂なら。
これからはちゃんと香坂のこと見ていこうって思ったの。」


「……好きでもないのにキスとかできんの?
昨日しようとしてたじゃん。」


「まぁキスくらいならできるんじゃない?
元々嫌いな人なら嫌だけど、香坂は元々仲良いから嫌じゃないし。
っていうか和泉だってしてたでしょ?」


「………俺のことはもういいのかよ。」


……普通そんな質問する?
逆の立場なら絶対聞けないよ、そんなこと。


「忘れてって言ったじゃん。」


「忘れられるかよ」


……なんでまた私は腕を掴まれてるんでしょう。
しかも和泉とは反対側の腕。
そしてどうして向き合う形になっているんでしょう。
………和泉さん?


「祥也と出来んなら、俺とも出来るよな」


………え?


「え、ちょ待っ…」


いつの間にか近づいてくる和泉の顔、
私を逃がさないように掴んでいた手に力がこもってて………
私は動くことができなかった。


「できるわけないじゃん。」


………へ?



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