君の瞳に映りたくて。
着替えてから、2階の洗面台で洗顔、歯磨きを済ませて、髪の毛をポニーテールにしてから1階のリビングへと向かった。
リビングではソファに座って、足を組んでテレビを見ている和泉がいて、その姿がほんっとにかっこよくて朝から私はときめきまくりだ。
「………和泉、座れてるじゃん。」
「ん?あぁ、なんかね意識すれば座れるらしい。
このソファ座りてーなって思ったら座れたんだよね。やっぱ霊体じゃないからなのかな。
それに地面の上なら無意識でも立てる!
こういう家の中とかだとだめなんだけど、外は平気。ってことに昨日気づいたんだよ!
なんかだんだん自分の状態に慣れてきて、できることがいろいろわかってきたんだよね。」
「へぇ、なるほどねぇ…
ソファとか地面が触れるなら、人間も触れればいいのにね?
テレビのリモコンもそうだけど。」
「リモコンはまぁ衝撃波みたいのでなんとかなるけど、生き物はどう頑張っても無理かも。
さっき寝てる舞桜触ろうとしたけど無理だったし。」
「え!さ、さわっ…」
「あぁぁ!別に変なとこじゃないから!
ほっぺたとか、頭とか手とか!」
それでもかなり恥ずかしいよ!!
嬉しいんだけどさ。
「…それより!
今日もジャージなんだ?」
「あぁ、うん。しかも学校指定ね。
うちの学校は校則厳しいんだよ。学校いくときは制服かこのジャージかって決まりなの。」
「あぁ、制服ってこれ?」
「そ、和泉も着てるやつね。
………そういえば和泉が制服着てる理由って、学校で何かあったか、帰り道に何かあったから制服なんじゃない?」
「あぁ!なるほど。
絶対それだよ!」
「とりあえずせっかく学校いくし、私も自主練やろうかなって。」
「自主練?なんの?」
「私は陸上部の短距離専門。
これでも去年も今年もインハイ出場したんだから。」
「うぇぇ!すげ!」
「でも優勝にはまだまだ。
来年は絶対インハイ制覇だよ!」
「そっか、頑張れ。応援してる。」
「ありがと。」