君の瞳に映りたくて。



「でもじゃあなんで陸上部のマネージャーになったの?」


「んー、
あんたが走ってる姿がきれいだったから。」


「え、私!?」


「吹奏楽部の見学に行った時に、窓からグラウンドが見えてね?
そこで舞桜が走ってたの。
太陽が当たっててキラキラして見えて。
すっごいキレイなフォームで舞桜の走りに見とれて、それで陸部のマネになったの。
舞桜の手伝いがしたかったから。」


「うはー、照れますね。」


「そしたら実際はこんなやつで、残念。」


「えぇ!ちょっとちょっと」


「でも、走ってるときの舞桜は本当に綺麗だと思うけどね。」


……こんな風に、近くで見てくれてる人がいる。
私を見てくれてるひとがいる。

たったそれだけのことでもすっごい嬉しいよ。



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