君の瞳に映りたくて。

和泉said



***


「なにやってんだよ、春翔。」


「ほんと、なにやってんだか。俺は…」


完全嫌われたよな、あれは…
すげー怒ってたし……


「あのな、俺がいいって言ったんだよ。
あいつが別のやつ好きでもいいって。」


「なんでそんな中途半端でいいんだよ。」


「春翔にはわかんねーよ。
あいつの気持ちも、俺の気持ちも。」


「また意味不明。」


「そりゃわかんねーよ。
まぁあいつは今俺の彼女なんだから、別にいいんじゃね?
嫌われたって。」


「………その勝ち誇った顔がまた腹立つ。」


「嫌われるためにあんなこと言ったんだろ?
ならいいじゃねーかよ。」


「俺はお前を思って言ったのに」


「余計なお世話。」


「………はぁぁぁ…」


もう話しかけてくれないんだろうな。
自分がしたくてしたんだけどさ………


「それより、春翔は竹下とどうなってんの?」


「別に。どうにもなってねーよ。」


「戻ってねーの?」


「まぁ言われたけどな。
だけど一度あんなことがあったのに、今さら信じられねーし、もう優衣のことは好きになんねーよ。

誰かさんの彼女がムカつくから。」


「さっさと告っとけばよかったのに。」


「告ろうとしたら祥也の彼女になってたんだろ。」


「宮下じゃなくて竹下を優先したからだろ。
バカじゃねーの?自分から誘っときながらなんで竹下を優先させるか?普通。」


「そうなんだけどさ…
ただ何回も来たらめんどくせーじゃん。」


「今朝も来てたろ。」


「許したら結局な。
まぁ友達くらいならしかたねーかとおもって。」


「ふーん。ま、どうでもいいけど。
それよりそろそろ戻るぞ。」


「あ、あぁ。」




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