君の瞳に映りたくて。
香坂said
***
あれから俺はずっと宮下の横にいたからか、春翔と宮下は全く会話なし。
さっきまでは明らかに春翔が避けてたけど、今は完全に宮下が避けてる。
………とにかく、今この班はぎこちない。
この二人の喧嘩によって、俺と榑林がかなりの気を使ってる。
元はと言えば俺が春翔から宮下を奪ったのが悪かったんだろうけど。
「ねえ、ちょっといい?」
「………今?」
「今じゃなきゃいつなのよ。」
そんなぎこちない空気だっつーのに、今度は榑林が俺を引っ張った。
俺と榑林がいなくなったら、春翔と宮下は二人になんのに…
「なんだよ。」
「あんたさ、舞桜が和泉を好きだって知ってるよね?」
「あぁ。」
「………和泉が舞桜のことを好きなのも…」
「知ってるけど。」
「じゃあなんで邪魔するの?
香坂が邪魔しなきゃあの二人…」
「付き合ったってか?」
「……そうだよ。絶対。」
「別に俺も邪魔するつもりなんかなかったよ。
ただ、春翔が竹下と宮下でフラフラしてて、傷ついてる宮下が気の毒だった。
春翔にはそんなつもり、なかったみたいだけどな。
だけど宮下は傷ついたはずだろ?
自分との約束破られて、元カノをとったなんて。
嘘までつかれて。
だから、早く宮下と春翔をくっつけようとしたんだよ。
春翔ってかなりの負けず嫌いだから。
なのにあいつ、宮下より俺をとったんだよ。
朝も、さっきも、宮下が春翔のことを早く忘れるために嫌われるようなことして。
バカだよな。」
「………でも、今からでも香坂が舞桜と別れれば…」
「二人は喜んで付き合うと思ってんの?」
「え…?」