君の瞳に映りたくて。



学校へつくと、やっぱりサッカー部は練習をしていた。
そこに和泉の姿がないのは…やはり変な感じだ。


「あれが俺の仲間?」


「うん、そうだよ。
ちょっと職員室行って部室のカギもらってくるけど、和泉はここにいる?」


「うん、ここで見てる。早く戻ってきてね。」


「はいはい。すぐいってきまーす!」


和泉は私に構わず、サッカー部に釘付け。
なにか覚えているのか、ただ単にサッカーが本当に好きなだけなのかわからないけど、その顔は前と違って輝いていなかった。










「ごめん、お待たせ。
顧問の先生いなくて時間かかっちゃった。」


浮きながらサッカー部を見る和泉に声をかけると、和泉はいつもの顔をしてこちらに来た。


「部室は入っていいの?」


「いいよ。
でも着替えスペースは入らないでね。今から着替えるから。」


「え?着替えるの?」


「部活の時はウェアじゃないと走りにくいの。」


それに、着替えないと汗だくなまま帰らなきゃいけなくなるしね。


「あ、和泉ストップウォッチのボタン押せる?」


「やってみるよ。」


とりあえずその間に私は着替えよう。
あんまり時間ないしね。


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