君の瞳に映りたくて。



「なに話してた?」


「んー、特になにも。
香坂まだかなーって感じ。
そこに香坂が来たの。」


「ふーん、そっか。」


「今日めっちゃ星見えるよー。」


「あー、ほんとだな。」


「香坂はさ、なんで星が好きなの?」


「別に好きな訳じゃねーよ。
月か星なら星ってだけ。
逆に、なんで月が好きなわけ?」


「んー、だって暗闇を照らすのは月でしょ?
真っ暗なところでも、満月だと明るくてさ。
それだけで怖くなくなることもあるし。」


「そんなに?」


「なんかそんな気がするの。」


「ふーん?」



それから、私たちはひたすらくだらないことを喋ってた。
テレビの話だったり、今日食べたバーガーの話だったり。

香坂と、声を出して笑い合っていた。


「……なぁ。」


「ん?」


そんな笑いが耐えない空気から、突然香坂が真面目な顔をした。


「俺さ、お前のこと好きだから。」


「え?」


「夏休みのあのときから、少しずついいなって思うようになった。
まだちゃんと言ってねーなって思って。」


「あぁ………うん、ありがと。
じゃあそうやって考えたら和泉には感謝なのかな?」


「そうだな、シャクだけど。」


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