君の瞳に映りたくて。



そして私たちは別れを惜しみ、空港に向かって日本へと帰国した。


「あっという間だったねー。」


「ね、ほんと。
濃い1週間だったな…」


「あんたは特別にね。」


う…確かに……
和泉と過ごして、和泉にフラれて、香坂と付き合って…
なんだか濃い内容だったな、特別。


「じゃ、私は親が迎え来てるからまたね。」


「うん!お疲れ様~。」


今日も学校解散。
私は誰の迎えも来てないから、大きな荷物をもって家まで目指すしかなくて…
なんだか切なくなる。


……あ。


「和泉!」


前には、優衣ちゃんと仲良く話す和泉。
隣に優衣ちゃんがいたけど、私はお構いなしに話しかけた。


「なに?」


「変なお願いしてごめんね。
ご協力ありがとうございました。

……それだけ、じゃーね。」


私はきっと嫌われたから。
もうきっと話すことはないから。



バイバイ、和泉。



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