君の瞳に映りたくて。



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「よーーい、ドンッ!!」


今日も私はサッカー部と同じグラウンドで走る。
寒さなんか、感じずにね。


「ふぅー…タイムは?」


「11.9。調子いいなー。」


最近は安定してタイムがいい。
いいにはいいんだけど、伸びない。

もうすぐ冬休みだというのに、夏休みからあまり進歩がない。
こんなにたくさん走ってるのにな……


「やっぱりライバルが必要なのかもな、宮下には。」


なんて言いながら、先生はサッカー部を見た。


「……先生、もう和泉とは走らないからね?」


「和泉と走ればまた自己ベスト出るかもしれないのに?」


「……和泉がいなくたって、私は速くなるよ。」


大会には、和泉はいないんだから。



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